青空短編小説

登録日時：2025-12-09 00:57:53 更新日時：2025-12-09 00:57:53

雨にも負けん

風にも負けん

雪にも夏の暑さにも負けん

じょうぶな体を持っとって

欲はのうて

絶対に怒らん

いっつも静かに笑ようる

一日（いちにち）に玄米四合と

味噌とちいとばかしの野菜を食うて

ありとあらゆるこたぁ

自分を勘定に入れんようにして

よう見たり聞いたりして分かって

そいで忘れん

野原の松の林の奥にある

ちっちゃな茅葺きの小屋におって

東に病気の子供がおったら

行って看病してやり

西に疲れたお母（かあ）ちゃんがおったら

行ってその稲の束を背負（せお）うて

南に死にそーな人がおったら

行って怖がらんでもええじゃろーて言うて

北にケンカや揉め事がおったら

つまらんけえやめんさいや、て言うて

日照りの時ゃあ涙を流し

寒さの夏はオロオロ歩き

みんなにデクのボーて呼ばれて

褒められもせん

苦にもされん

そがいなモンに

わしはなりたいんじゃ

※この作品は、青空文庫（https://www.aozora.gr.jp/）で公開されている以下の作品を利用して、AIで創作しています。